むかし話

2005年3月14日 (月)

パソコン通信の時代

多くの人が携帯やインターネットを通して電子メールのやりとりを日常的に
当たり前のようにするような時代になりました。
10年ちょっと前まで、電子メールのやりとりはあまり普通ではなく、珍しい行為でしたし
「メールする」という言葉の意味を理解してくれる人は周囲ではそう多くなかったのも事実
という時代があったのです。

私がパソコン通信を始めたのは、今からちょうど17年前のことになります。
今よりもはるかに性能の劣る、しかし高価なパソコンを仕事の事務的な整理のために
試行錯誤しつつ使い始めた頃、ひょんなことから「パソコン通信」という
新しいコミュニケーション手段があることを知って興味をおぼえて始めたのが最初です。

私が最初に参加したパソコン通信ネットは無料で利用できた「銀河通信」です。
当時は巷にたくさん草の根BBSと言われるものがあり、銀河通信もその1つでしたが
規模としては比較的大きかった(参加会員数が多い)と思います。
無料草の根BBSに対して、商用BBS と呼ばれるものがあり、代表選手が
Nifty-Serve と、PC-VAN だったでしょう。
私が最初に参加した銀河通信では主催者の考えで、便宜上、皆「ハンドルネーム」を
使ってはいましたが規則として「本名主義」で、書き込めば自動的に本名が表示されていました。
銀河通信は当時からどちらかというと「初心者向き」で参加しやすいBBSと言われていて
(それゆえに、一部、小馬鹿にする『おたく』?もいたようですが)
私もまずは自分がパソコン通信に慣れるために、銀河通信に入ってみたわけです。
海外ネットでは、Nifty-Serve がお手本にしたと言われる CompuServe が当時は
世界最大規模と言われていました。(注:コンピュサーブと読みます)
私はこの「ないものはないと言われた」CompuServe につなぎたくて、銀河通信に参加した
一年後に有料の Nifty-Serve の会員になりました。

当時のパソコン通信昔話はまた別の機会にゆっくりするとして
(どれだけ今のネット環境に比べてお金がかかって大変だったのか、など/笑)
あの頃、パソコン通信をやっている人達は世間から見るととてもマイナーな存在でした。
パソコン通信と言われて理解する人も周囲には少なかったし、ともすれば
とっても「おたく」な人種のオタクな世界としか受け取られなかったむきもあります。
当時ネット友人らと「世間のみんながメールアドレスもっていてくれれば、連絡も楽で
いいのにねぇ。。」などと言っていたのが、今は現実のものとなり、その結果が
下品でどうしようもない SPAM や、詐欺メールの削除に忙しくて仕方がないという
皮肉なものになってしまっています。(苦笑)

インターネットが普及して、多くの人達がネットを通してコミュニケーションを始めたり
メールを自由に扱うようになってきてから、私はパソコン通信の不便でオタクちっくな
世界の方が居心地が良かったかもしれない、と感じることが時々あります。
というのも、パソコン通信の時代のコミュニケーションの方が、まだルールや秩序が
見えていたような気がするのです。
銀河通信のように、マナーやルールを徹底していたところではなくても、お互いに暗黙の了解
というレベルで最低限のものがあったように思います。

1つは、当時は今のように「M$にあらずば人にあらず」というような世界ではありませんでした。
同じパソコンソフトを持っていても、機種が違えばそれぞれのファイル交換などできなかったのです。
NECのパソコンを使っていると、同じ MS-DOS を使っていても、IBM社のパソコンで作った物は
動かすことができませんでした。
(注:同じM$でも、当時はウィンドウズではありません)
こういうことがごくごくアタリマエだったために、自分の環境と相手の環境は違って当然
というのが常識だったのです。
ですから、黙ってメールなどでテキストファイル以外のモノを送るなどということは
相手に確認を取らない以上、できないことでした。
機種依存文字は相手が読めない可能性が高いので使うべきではない、というのも
暗黙の了解でした。
こうした暗黙のルールを知らない初心者には、必ず誰かが「それはね、、、」と諭したものです。

秩序という点では、あったりなかったり、、、ですけれど
(中には怪しい草の根BBSとかもありましたしね/笑)
私が経験してきたパソコン通信の範囲から考えていくと、今のインターネットの方が
無秩序のような気がしてなりません。
掲示板にあいさつなし、自己紹介も何もなしでいきなり名乗らずに書く、なんて人はいなかったし
メールにしても、それなりに気をつかって書かれたものがほとんどでした。
(仲良しになれば、非常にフランクなメールのやりとりでしたよ、もちろん)
パソコン通信は決してメジャーではなく、マイナーで時にオタクの巣窟のような印象を
他から与えられていましたが、文字媒介であってもコミュニケーションの基本は
一般社会と同じである、という認識をもっていた人達は多くいたと思います。
非常識な態度を取れば、嫌われたり、教育的指導がきたりしたものです。
パソコン通信には、いわゆるSysop(注:日本ではシスオペと読まれていました)という人が
必ず存在していましたので、その存在がルール作りやマナーを守るという点において
果たした役割も大きかったように思います。
(注:Sysop はそのネット(あるいはBBS、フォーラム、グループ)の主催者、あるいは責任者です)

先日、ネットうろついていたらパソコン通信についておもしろいコラムをみつけました。
私よりも数倍うまく、理路整然と書かれていますのでもしよろしければ参考文献にどうぞ。

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0502/21/news012.html

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