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2021年3月

2021年3月 9日 (火)

ブリーダー 2

これは私の強い考えなのですが、ブリーダーは職業であってはならないと考えています。
つまり、犬を繁殖することが「仕事」「生活の糧」であるべきではない、と私は強く思うのです。
自分の職業はブリーダーである、と言う方々には大いなる疑問をもちます。
アメリカでお付き合いのある、私が尊敬するブリーダーたちは、皆、犬は趣味の範囲であって生活のための仕事は別にちゃんと持っています。
日本でも、極々(!強調)少ないと思われる真面目なブリーダーたちは、犬の繁殖が生活の糧ではありません。
真面目に繁殖に取り組むと、お金は儲かりません。
扱うのは命ですから、その命に対して責任が常にあり、誰かに売ったらそれで終わりではないし、そうすべきではないと思っています。

一腹子犬が生まれて全て売れれば、まとまった金額になって儲かった気になると思うのですが、冷静に長い目で見たら儲かりなんてしないんです。
1頭のメスがお産できる数は限られますし(これもいずれ制限がつきます)その親犬の一生のうちの数年ですから、言い方は悪いのですが、いずれ子犬を産まない(産めない)タダメシ食いを長い間養うことになります。
その経費、自分の生活費のために、さらに産んでくれるメス犬を補強し、、、とやっていくから(ある意味自転車操業)そのへんのブリーダーは山のような数の犬を抱えるのではないでしょうか。

子犬を売ってお金にして、それを生活の糧としている人たちは「コマーシャルブリーダー」(commercial breeder)です。
典型は、自家繁殖のペットショップみたいなもの、と考えればわかりやすいかもしれません。
ペットショップではなくても、このタイプのブリーダーはたくさんいます。
毎年出産があって、定期的に子犬がいます。年に複数回お産があることも珍しくありません。
この手のブリーダーで規模が大きくて犬の数もたくさんいて(時に数犬種)年中お産があるのが、子犬工場=パピーミル(puppy mill)です。
そこまでいかずとも、真面目に犬種の勉強もせずに、片手間に家庭で繁殖をしてお小遣い稼ぎのようにしている人たちはバックヤードブリーダー(backyard breeder)私はよく「裏庭」と呼んでいます。(笑)
うち子の赤ちゃんが見たい、ちょっと生ませてみたい、的な人は素人ブリーダー。

ブリーダーという言葉ひとつでも、こうやっていろいろいるんです。(苦笑)
じゃぁ、真面目なブリーダーはなんと言えばいいんでしょうね。。。
シリアス(serious)ブリーダーという言い方をよく目にしたり耳にしたりするのですが、なんか私、この言葉の響きがあまり好きではないというか、ちょっと違和感を覚えます。
ちなみに英語だと reputable(評判がいい、信頼できる)breeder とか、responsible(信用できる、信頼できる)breeder、あるいは ethical(道徳的な、倫理にかなった)breeder という言葉が使われることが多いです。
responsible は、責任(responsibility)あるという意味あいもあるので、いい言葉だな、と思ったりするんですが、真面目で良いブリーダーを一言で表す良い日本語ってないですかね?

長くなりましたが、ブリーダーを見極める話、よくよく見たら5年半前の昔「繁殖制限」のタイトルで書いていました。
その記事の中にもまたリンクがあって、やはり同じようなことを書いてますね。
言いたいことは時間が経っても基本的に変わらないということで。。
お時間のある方は、過去ログ、読んでくださるとありがたいです。

 

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2021年3月 5日 (金)

とり急ぎの報告

今回飼い主さんを募集していた子犬は、無事に飼い主さんが決まりました。
次の繁殖は、ないかもしれません。
少なくとも、私自身は自分の年齢、家族、生活環境などを考えると残念ながら可能性は低いのが現実です。

この先、私のところも含め、関連する子で先につながる場合があれば、またお知らせします。

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ブリーダー 1

ブリーダー=繁殖者 ですが、一般に言う「ブリーダー」って、どういうイメージなんだろう? と、考えていました。
というのも、子犬を買う一般の方、、、って変な言い方ですが、まぁ、普通の、というか、犬業界に関わらない人々みたいな感じです。
そのような人たちは、どういうふうに考えているんでしょう?

ブリーダーは犬種の番人 という言い方があります。
繁殖について語ろうとなると、奥が深くキリがなくなってしまうのですが。。。

ある犬種を繁殖する人(ブリーダー)は、その犬種を崩さない繁殖をするべきで、繁殖にあたっては、将来の犬種のためにその犬種がより良く発展するよう努力するべきだと私は考えています。
どの犬種にも、その犬種がどうあるべきか、見た目、サイズ、気質、性質などについて細かく定められた「犬種標準」(ブリードスタンダード)があります。
ブリーダーは、自分が手掛ける犬種の犬種標準をまず知り、理解する必要があります。
そして、そこから大きく外れる(例えばまっすぐであるべき部分が曲がっているとか、ありえない毛色が出るとか)ことがないよう、繁殖するオスやメスの見極めをして繁殖しなくてはならないのです。

犬種標準はその犬種の理想像なのですが、100%それに合致した犬はおそらくいません。
少なからず、欠点と言われるものを持っていたり、欠点には至らずともちょっと足りない点があったりするものです。
(例えば耳が付いている位置が少し標準よりズレているとか、指の形が理想とちょっと違うとか)
犬は生き物で工業製品ではないので、設計図通りに間違いなくきちんと出来上がる、ということはまずありえません。
通常、大きな欠点や欠陥がない個体を繁殖に用い、さらに、向上するべく足りない部分を補える、あるいは改良が望めるであろう犬を交配相手に選びます。
同じ犬種だからなんでもいい、という訳ではなく、交配するオスもメスもよく見極める必要があります。
その見極めの方法の一つが、犬種を審査するドッグショーなのです。

ドッグショーに関しても関わっているといろいろあるので、細かい話は割愛しますが、じゃぁ「チャンピオン」というタイトルがついていればなんでもいいのか? というと、これまた話はそう簡単ではありません。
基本はやはり、まず犬種標準を理解し、チャンピオンだろうが何だろうが、犬を見極める知識と目を持っていなくてはなりません。

考え抜いて相手を選び、さらに良い子が生まれることを望んで繁殖をするのですが、何が難しいかというと、全てがこちらが考えた理想通りにはいかない、という点です。
これが設計図通りに製品を作るのとは大きく違う点で、どうしても私たちの考えや手には及ばない「神様の手」があちこちに入ってしまうのです。

理屈はともかく、真面目に繁殖を考えるということは、実に頭の痛いことなのです。
昨年のスタンダードプードルのJKC登録頭数は1,000を超えました。
30年前、1年間の登録数は50くらいだったかと思います。
今はSNSなど見ると、あちこちでスタンダードプードルが生まれています。
もう乱繁殖じゃないの? という感じもするし、実際にみなさん、どのくらい考えて繁殖されているのか、じっくり膝を交えてお話を伺いたい、と思うケースもあります。(苦笑)

一般的には、犬種標準から大きくかけ離れた子たちを見かけることは珍しくありません。
生まれてくる犬には罪はありません。
でも、繁殖する人たちは、少しは考えて繁殖してほしいと思うのです。
犬種を崩すには2代、いや、時には1代で十分です。あっと言う間に犬種標準から大外れになります。ある意味簡単です。
逆に、良くする方は時にとても難しく、一つ二つの欠点を改良するのに何代もかかることすらあります。

長くなるので続きます。

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