ブリーダー 2
これは私の強い考えなのですが、ブリーダーは職業であってはならないと考えています。
つまり、犬を繁殖することが「仕事」「生活の糧」であるべきではない、と私は強く思うのです。
自分の職業はブリーダーである、と言う方々には大いなる疑問をもちます。
アメリカでお付き合いのある、私が尊敬するブリーダーたちは、皆、犬は趣味の範囲であって生活のための仕事は別にちゃんと持っています。
日本でも、極々(!強調)少ないと思われる真面目なブリーダーたちは、犬の繁殖が生活の糧ではありません。
真面目に繁殖に取り組むと、お金は儲かりません。
扱うのは命ですから、その命に対して責任が常にあり、誰かに売ったらそれで終わりではないし、そうすべきではないと思っています。
一腹子犬が生まれて全て売れれば、まとまった金額になって儲かった気になると思うのですが、冷静に長い目で見たら儲かりなんてしないんです。
1頭のメスがお産できる数は限られますし(これもいずれ制限がつきます)その親犬の一生のうちの数年ですから、言い方は悪いのですが、いずれ子犬を産まない(産めない)タダメシ食いを長い間養うことになります。
その経費、自分の生活費のために、さらに産んでくれるメス犬を補強し、、、とやっていくから(ある意味自転車操業)そのへんのブリーダーは山のような数の犬を抱えるのではないでしょうか。
子犬を売ってお金にして、それを生活の糧としている人たちは「コマーシャルブリーダー」(commercial breeder)です。
典型は、自家繁殖のペットショップみたいなもの、と考えればわかりやすいかもしれません。
ペットショップではなくても、このタイプのブリーダーはたくさんいます。
毎年出産があって、定期的に子犬がいます。年に複数回お産があることも珍しくありません。
この手のブリーダーで規模が大きくて犬の数もたくさんいて(時に数犬種)年中お産があるのが、子犬工場=パピーミル(puppy mill)です。
そこまでいかずとも、真面目に犬種の勉強もせずに、片手間に家庭で繁殖をしてお小遣い稼ぎのようにしている人たちはバックヤードブリーダー(backyard breeder)私はよく「裏庭」と呼んでいます。(笑)
うち子の赤ちゃんが見たい、ちょっと生ませてみたい、的な人は素人ブリーダー。
ブリーダーという言葉ひとつでも、こうやっていろいろいるんです。(苦笑)
じゃぁ、真面目なブリーダーはなんと言えばいいんでしょうね。。。
シリアス(serious)ブリーダーという言い方をよく目にしたり耳にしたりするのですが、なんか私、この言葉の響きがあまり好きではないというか、ちょっと違和感を覚えます。
ちなみに英語だと reputable(評判がいい、信頼できる)breeder とか、responsible(信用できる、信頼できる)breeder、あるいは ethical(道徳的な、倫理にかなった)breeder という言葉が使われることが多いです。
responsible は、責任(responsibility)あるという意味あいもあるので、いい言葉だな、と思ったりするんですが、真面目で良いブリーダーを一言で表す良い日本語ってないですかね?
長くなりましたが、ブリーダーを見極める話、よくよく見たら5年半前の昔「繁殖制限」のタイトルで書いていました。
その記事の中にもまたリンクがあって、やはり同じようなことを書いてますね。
言いたいことは時間が経っても基本的に変わらないということで。。
お時間のある方は、過去ログ、読んでくださるとありがたいです。
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